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高取八仙窯


東峰村(旧・小石原村)皿山の「筑前茶陶 高取焼 高取八仙窯」を訪ねました。

ご存じのように茶陶として名高い高取焼は

文禄の役で当時の朝鮮から連れ帰られた初代、八山(八蔵)が

黒田藩の御用窯として現在の直方市に永満寺窯、続いて内ヶ磯窯を築き、

山田村(現・嘉麻市)での作陶時代を経て

飯塚の白旗山のふもとに白旗山窯を開きます。

この窯が初代八山が開いた最後の窯になりました。

八山他界後、窯は小石原に移り、

小石原鼓窯と小石原中野窯となります。

その小石原中野窯が今に続く高取八仙窯です。

藁葺きの趣のある店舗は明治3年に住居兼仕事場として建てられたものを

内部を改装なさったものだそうです。

訪れた折には高取忍さんがいらして

八仙窯の代表的作品を解説してくださいました。

それだけでなく、内ヶ磯窯と武将茶人、古田織部の関係、

戦国時代の茶、初代が日本に連れてこられる際の逸話など

たいへん興味深いお話をうかがうことができました。

店舗内には風雅な二畳のお茶室もありました。

店舗裏手のシャクナゲは毎年見事な花を咲かせるそうです。

その季節にまた訪れたいものです。

      染付のかけらは出でぬ八山の朝鮮式の古き墓より

                      キム・英子・ヨンジャ

                      「短歌研究」2013年1月号


 
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