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ハンメ(祖母)


今日は敬老の日ですね。

祖母のことは、韓国語でハルモニ。

でも、うちでは姉などは祖母をハンメと呼んでいました。

ちなみに、おばさん(親類の伯母・叔母ではなく、よその大人の女性)は

韓国語ではアジュモニですが、うちではアジメ。

これはうちだけではなく、知り合いの在日コリアンも同じです。

たぶん、韓国南部の方言なのでしょう。

その祖母は、私が高校三年生の冬に入院しました。

うちから離れていて、交通も不便な山奥の病院です。

祖母は日本語がほとんど話せなかったのですが、

その病院には母国語が話せる先生がいらしたからです。

時々母が病院に行っていましたが

うちにはクルマはないし、母も毎日店を開けて働いていたので

頻繁には通えませんでした。

私は受験勉強に明け暮れていて、合格発表から入学式まで間がなく

すぐに進学のためうちをはなれて長崎に行ったので

初めて祖母を見舞ったのは、夏休みに帰省してすぐのことでした。

祖母は高齢のため体が弱って入院しましたが

入院する時には認知症の症状は出ていませんでした。

その年の早春に姉の婚礼がありました。

祖母はお正月が明けてまもなく入院したので

結婚式には出られなかったと思います。

婚家ではやさしくされているのかと祖母(ハンメ)は問いき学生われに

     母国語(ウリマル)を話す先生おるからに山ふたつ越え入りし病院

     夏休みに祖母(ハンメ)を訪えばいなり寿司自(し)が好物と忘れて食まず

     孫子をば思(も)いつつ孫を忘れつつ金(キム)先生の回診受けにき

                       キム・英子・ヨンジャ 「かりん」2013年1月号


 
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