「金子文子と朴烈(パク・ヨル)」
韓国で大ヒットした映画。
原題は「朴烈」。
日本では本年2月16日に東京、京都などを皮切りに封切られ、
福岡では3月23日より福岡市のKBCシネマで上映されました。
アナキストの朴烈も、金子文子も実在の人物。
大正時代、関東大震災後の東京で検束され、
大逆罪を問われた裁判で死刑を言い渡されます
(翌日、恩赦により無期懲役に減刑)。
拘束されたあとに正式に結婚した二人ですが
金子文子は20代前半の若さで獄中で亡くなり、
朴烈は
1945(昭和20)年、
太平洋戦争終結後に数十年に及ぶ獄中生活から解放されます。
史実に基づいていますが、フィクションの部分もあります。
2年前にこの映画のことを知ってから
日本で鑑賞できる日を待っていました。
映画には金守珍をはじめとした劇団「新宿梁山泊」のメンバーなど
在日コリアンの俳優も複数出演すると知ったこともあって。
金子文子役のチェ・ヒソは小学校時代を日本で過ごしたことから
日本語がたいへん上手です。
朴烈役のイ・ジェフンは、
映画「建築学概論」などに出演した人気スターなのですね。
私は韓流のドラマや映画にくわしいわけではないので
よく知りませんでした。
実は、福岡でこの映画を観た前日、
同じく福岡市でおこなわれた
韓国の歌手や俳優のトークイベントに足を運んだんです。
そこに登壇したおひとりがこのイ・ジェフンだったことに
いま気がつきました!
思い返すと
トークイベントでは
現在日本で放映中というテレビドラマ「シグナル」の話題が出ていましたが
この主演映画が福岡市で上映中だという情報は出ませんでした。
この映画のチラシに瀬戸内寂聴さんほか
多くのかたのコメントが載っています。
その中に歌人の福島泰樹さんが短歌でコメントを寄せてありますので
ご紹介します。
「テロリストの烙印を押す前に問え大逆事件、鮮人の意味
さわやかな風吹く午後を駆けてゆく朴烈なにもしていないよう
福島泰樹歌集『うたで描くエポック 大正行進曲』から
福島泰樹(歌人)」