「好去好来の歌」
- momosaran
- 2019年5月7日
- 読了時間: 2分
10連休が明けました。
みなさまはいかがお過ごしになりましたか?
私は、ひさしぶりに子どもと食事をともにしたほかは
いつもと同じように仕事をして日々を送りました。
子どもとは、福岡市内のおいしいナポリピッツァのお店で
ランチをいただいたのですが
その日の午前中は月に一度の万葉集講座を受けました。
現在は山上憶良の作品を集中的に学んでいます。
今回は「好去好来の歌一首 反歌二首」(巻五-894~896)。
憶良さんが筑前国司として大宰府へやってきたのは67歳ごろ。
先生のお話によると、
当時の67歳は現在の87歳に相当するということです。
憶良さんはその頃健康面が思わしくなかったようですが
87歳であると考えれば自然なことですね。
「好去好来の歌」は
大宰府から奈良の都へ戻ってから詠まれた作品です。
遣唐使として大陸へ赴く丹比広成が憶良さんを訪ねてきます。
その頃すでに憶良さんは官職を退いていましたが
かつて遣唐使であったこともあり
中国や韓半島のことにくわしいからです。
憶良さんは大成の訪問から二日後にこの歌を贈っています。
「好去好来」は「いってらっしゃい」の意味。
と、いうことを教えていただきました。
巻五-894は長歌です。
「神代より 言ひ伝て来らく…」(かみよより いいつてこらく…)
で始まる長歌の一番伝えたいことは
結びの
「恙無く 幸く坐して 早帰りませ」
(つつみなく さきくいまして はやかえりませ)
に尽きるのではないかと思います。
これに続く反歌二首もご紹介いたしますね。
大伴の御津の松原かき掃けてわれ立ち待たむ早帰りませ
(おおともの みつのまつばら かきはけて われたちまたむ はやかえりませ)
難波津に御船泊てぬと聞こえ来ば紐解き放けて立走りせむ
(なにわづに みふねはてぬと きこえこば ひもときさけて たちばしりせむ)
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