第18回いいづか短歌サロン
1951年の観測開始以来もっとも遅い6月26日に梅雨入りした九州北部。
それからは雨模様の蒸し暑い日が続いています。
第18回いいづか短歌サロンを開いた今日もそうでしたが
サロンを開催した午前中は曇りのお天気。
蒸し暑さ、うっとうしさを忘れさせてくれたのが
机上に飾られた紫の桔梗です。
(短歌サロンのメンバーのかたが準備してくださいました)
桔梗は山地や草原に自生しているもので
花瓶にさすとすぐにだめになってしまうそうですが
今日のお花はとてもきれいに咲いていて
和紙で作ったかとみまがうほどに整った姿でした。
ご参加のみなさまも口々に感心なさっていました。
この美しい桔梗に合わせて
わが茶友が淹れてくれたのが、韓国のトラジ茶✿
トラジは桔梗のことです。
桔梗の根はもともと漢方(韓方)薬としても用いられるものです。
韓国のトラジ茶というと、
この根を使ったもので、水色(すいしょく)は茶色。
香ばしいお茶です。
もう一つ、いいづか短歌サロンでは
桔梗のお花でつくった美しい薄紫のトラジ茶(とても珍しい!)も
お出ししたことがありますが
今回は、オーソドックスな、根の部分で作ったお茶です。
涼しげな青紫の桔梗を愛でながら
トラジ(桔梗)茶を味わう。
お香(白檀)は、本日が初お目みえの、錫のお香立てで焚きました。
錫(銀色)でできた葉っぱの上に、硝子でつくられた一粒の露(青紫)。
梅雨のうっとうしさを忘れさせてくれる、涼やかな組み合わせです。
呈茶はもう一種類、日本のお抹茶。
添えたお菓子は黒糖饅頭と、
それからラムネ(白)にボンボン(白&うす緑)。
ラムネとボンボンは、本日のテーマ(「川のうた」)に合わせて
川の水の流れを思わせる青いガラスの器に盛られました。
ラムネとボンボンの丸い白と薄緑が
まるでうたかた(水の泡)のようでした。(=^∸^=)
さて、みなさまの詠草のテーマは毎回自由としているのですが
半分以上は「川(河)」に合わせて詠まれていました。
スエズ運河・氷河・遠賀川・天の川など。
バラエティーに富んだものでした。
では、結びに、本日前半に解説・鑑賞した秀歌より
幾首かご紹介いたします。
暗道のわれの歩みにまつわれる蛍ありわれはいかなる河か
橋本喜典
亡き夫の知らざる齢(よはひ)をわが生きてユーフラテスの岸にかがめり
宮 英子