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「かりん」11月号-ヘバン


今週、「かりん」11月号が届きました。

毎年 5月号と11月号は特集が組まれます。

今回の特集は「現代の生きづらさを考える(2)」。

5月号と同じテーマですが

5月号が若い世代中心の執筆陣であったのに対し

今回はその上の世代のかたがたが書いておられます。

遠藤由季さんの時評はAIが詠む短歌について。

「AI」を詠みこんだ私のうたが「かりん」誌に掲載された時

歌会で「AIって何ですか」と質問されたことがありましたが

それはほんの何年か前の話です。

今やAIが短歌を詠むのです。

「LED」を詠みこんだうたにも

歌会で「LEDって何?」ときかれました。

あれは確か2010年のこと。

いまや電球は白熱電球ではなくLEDが標準になりました。

あと10年したら

AIは私たちの暮らしをどのように変えているのでしょうか。

今月号のわたしのうたは

「解放(ヘバン)」と題した七首が掲載されています。

全首ご紹介いたします。

   解放

二週間長くて二か月ははそはの母の命の終わりを知りたり

オレンジの灯のともる芳雄橋(よしおばし)渡りて通う老い母のもとへ

敗戦と言い終戦と言うもあり一世が解放(ヘバン)と呼べる八月

エイヘイヨ音痴のわれの母国語の「トラジ」を母は静かに聴けり

最期の息大きく吸って一世の母の解放(ヘバン)はここになされり

この世の息引き取りし母にささやきぬ

       お母さん万歳(マンセー)お母さん万歳(マンセー)

唯一の母を亡くして唯一のわれとなりたり秋香る朝

            キム・英子・ヨンジャ 「かりん」2019年11月号


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