「短歌研究」1月号-「韓国と短歌」
「短歌研究」1月号に、
歌人の吉川宏志さんと思想家の内田樹さんの対談
「いま発すべき声(voice)、歌うべき歌」
の第1部「韓国と短歌」が掲載されました。
まず、現在の日韓関係について話し合われた後、
短歌は韓国をどう詠ってきたのかというテーマで
吉川さんが近・現代の歌人の作品を示して
その作品の歴史的背景や作者の心情などについて話が進められます。
歌人によって一人一首から八首が取り上げられています。
この対談を読んで最も印象に残ったのは、
「六月二十六日」についてのやりとりです。
こちらの対談に感しては
民団新聞のリレーエッセイ「時のかがみ」でふれました。
(1/29付「高麗尺を使うように」)
「時のかがみ」は民団新聞のウェブサイトにアップされています。
よろしかったらご.覧下さい。
こちらの対談で取り上げられている短歌作品は
リレーエッセイでは字数の関係で二首しかご紹介できなかったので
今日のブログでは一歌人につき一首をご紹介したいと思います。
から山に、桜を植ゑて、から人に、やまと男子(をのこ)の、歌うたはせむ。
与謝野鉄幹
九月の夜の不平
地図の上朝鮮國にくろぐろと墨をぬりつつ秋風を聴く
石川啄木
ときめきし古(いにしへ)しのぶこの國のふるきうつはのくさぐさを見つ
若山牧水
ひびきよき日本語きこゆ新羅太子(しらたいし)の墓近き宿に少女の立ちて
土屋文明
鶴嘴を己れの影に打ちつづくきびしき西日となりたる中に
近藤芳美
空間のなみだつごとき気配して起きゐたる六月二十六日の夜
佐藤佐太郎
「サランへ」は愛していますという意味と告ぐれど応えぬ人なりもはや
李正子(イ・チョンジャ)
カンさんは在日ですか?違います。ニューカマー、いえ異邦人です
カン・ハンナ