きんもくせいの香り
2017年10月10日
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ゆうべ 手紙を投函しようと外へ出たら金木犀の香りがしました。
私の感覚では例年10月に入る頃にあたりに漂い始め、
またこの季節が訪れたのだとハッとさせられたものです。
それが今年は9月23日の夕刻に初めてその香りを感じ
その後はもう香らなくなったので
いつもの年とは違うなと思っていました。
けれど、ゆうべは再び馥郁たる香りが ― 。
人間の五感の中で嗅覚は記憶と強く結びついているものだそうですね。
この香りに思い出のあるかたも多いことでしょう。
私にとっては2003年、9月の初めに父が亡くなった時のことを
思い出させる香りです。
母国語で父呼び初めし日はまさに永訣のときアボジアボジよ
いざアボジ鮨召し上がれ食めざりし最後の日々に欲せし鮨を
その風土情熱的で骨太き男を生むと わが父もまた
故国(くに)の土せめて入れまし七十年日本に生きし父の骨壺
本堂に金木犀の香り満つ父の遺骨を納める朝(あした)
キム・英子・ヨンジャ 『サラン』

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