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「水城」第278号

コスモス短歌会福岡支部の「水城」最新号です。


(2021年3月10日 発行)


年3回の発行です。


そうすると、発行してほっとするとすぐに次の号の準備にとりかかる感じでしょうか。


長く続けておられること、すごいなと思います。


では、発行されたばかりの第278号から


印象に残った作品をご紹介いたします。




 薄れゆくタオルの母の名のうへにわが名重ねて仕度はすすむ


 大野英子




 モンゴルの羊の骨で造られし児らのおはじき飴色に照る


 辻 恵泉




 年の瀬も穏やかなるぞひとり身は年越しに買う緑のたぬき


 辻本 浩




 ハシブトの嘴の太きをまざまざと見詰めてゐたり旧友のごと


 中村仁彦




 スマホ開け夫の笑顔の写真出し弔ふ人らに見てもらひをり


 濱田敬子




 猫ゐます脱走癖ある猫ゐます玄関のドアほそく開けます


 藤野早苗




 働いてお金を得れば幾ばくか自由と笑顔は買えると知りぬ


 増田栁子









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