「海渡る蝶」-父への挽歌
今日は父の日ですね。 わたくしの父は2003年に他界しました。 細身で、モダンな父でした。 父は数え年十一歳でひとり日本へ渡ってきて 八十三歳で亡くなるまで人生のほとんどを日本で過ごしました。 2005年に出版した私の第一歌集『サラン』の最初の章は「海渡る蝶」。...
高取八仙窯
東峰村(旧・小石原村)皿山の「筑前茶陶 高取焼 高取八仙窯」を訪ねました。 ご存じのように茶陶として名高い高取焼は 文禄の役で当時の朝鮮から連れ帰られた初代、八山(八蔵)が 黒田藩の御用窯として現在の直方市に永満寺窯、続いて内ヶ磯窯を築き、...
エッセイ「白い髪飾り」
それぞれの家庭にそれぞれのしつけがあります。 私が子どもの頃から母に戒められてきたことのひとつは 髪に白いものをつけないこと。 晴れ着の際の髪飾りだけでなく、 ふだん使うヘアピンなどの髪留めやリボンにいたるまで、 白いものは禁じられていました。...
水菊(スグ)
水菊(スグ)とは韓国語でアジサイのことです。 近頃は紫陽花(チャヤンファ)と呼ぶことも多いのだとか。 水菊茶(スグチャ)というお茶もあります。 砂糖よりずっと甘いのにカロリーはゼロなんですって。 その上にも良いとききますから 今度試してみようと思います。...
「愛を歌う花」
韓国映画「愛を歌う花」(2016年)の原題は「解語花(ヘオファ)」といいます。 ことばを理解する花、つまり花のように美しいということで 妓生(キーセン)や美人のことをさします。 物語は1943年の京城(現在のソウル)、 妓生達が暮らし、また将来妓生となる少女たちに芸事を教え...
三寸の祭祀(サムチョンのチェサ)
叔父の祭祀(チェサ)のため実家へ行きました。 日本では親戚のおじさんというのは 母方でも父方でも、またはおばの夫でも もっと言えば親類ではない近所のおじさんでもすべておじさんと言いますが 韓国では自分との関係性によって呼びかたが違ってきます。 父の兄弟はサムチョン(三寸)。...
可也山(かやさん)-糸島へGO
ご招待を受けて韓日友好の集いへ出席いたしました。 駐福岡総領事館のキム・オクチェ(金玉彩)総領事もご参席です。 集いでは両国関係についての講演もお聴きしました。 会場のある糸島市(福岡県)へ向かう時、道路沿いに海が見えてくると 筑豊盆地で生まれ育ち、今も暮らしている私は...
エッセイ「遥かなるアンニョンハセヨ」
福岡韓国教育院ニュースレター「マウム(心)」56号が発行されました。 連載中のエッセイ、今回のタイトルは「遥かなるアンニョンハセヨ」です。 日本の皆さんが韓国語の挨拶としてすぐに思い浮かぶのは このアンニョンハセヨだろうと思いますが、在日コリアン二世の私には...
「福」を包むー素花ポジャギ展
福岡アジア美術館(福岡市)で開かれている「第三回素花(ソファ)ポジャギ展」に 足を運びました。 日本でポジャギが注目され、人気が出始めたのは2000年代の初め、 韓流の少し前くらいだったと記憶しています。 そのころ韓国で購入した数枚のポジャギは、2008年からお稽古を始めた...
ハングルの書-李華書芸会作品展
今月の20日から26日まで福岡市中央区のアクロス福岡で開催された 「李華書芸会総合作品展」にでかけました。 同会の生徒さんがたのハングル、漢字、かな、水墨画などの作品を中心に、 主宰の李安子さんの書も三点展示されていました。 書芸は日本でいうところの書道です。...